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2025/10/27

【可読性を高めるフォント選び】 読まれるデザインの本質

Webデザインにおけるフォント選びは、単なる「見た目の美しさ」ではなく、情報伝達の精度とユーザー体験(UX)を左右する重要な要素です。
どれだけ構成やビジュアルが優れていても、文字が読みにくければコンテンツは正しく伝わりません。
本記事では、可読性を高めるフォント選定の考え方と実践ポイントを解説します。


1. フォント選びがUXに与える影響

Web上の文章は、ユーザーの視線の動きやデバイス環境によって大きく読みやすさが変化します。
特に近年はスマートフォンからの閲覧が主流となり、画面サイズ・解像度・レンダリングの違いが可読性に直結します。

  • フォントの形状や字間が読みやすさを左右
  • 視認性の高さが離脱率や滞在時間に影響
  • ブランドトーンにも関わる要素

Webサイトの目的が「読ませる」ものである以上、フォント選びは戦略的に設計する必要があります。


2. デジタル環境に適したフォントタイプ

フォントには大きく分けて「セリフ体」「サンセリフ体」「モノスペース体」などがありますが、
Webデザインにおいてはサンセリフ体が最も汎用性が高く、視認性に優れています。

フォントタイプ特徴用途例
セリフ体 (Serif)文字の端に装飾。落ち着いた印象。コーポレートサイト、記事本文(長文)
サンセリフ体 (Sans-serif)装飾がなくシンプル。画面で見やすい。UI、Web記事、モバイルサイト
モノスペース体 (Monospace)等幅フォント。視認性重視。コードや数字の表示

特に日本語フォントでは、「Noto Sans JP」「Yu Gothic」「Hiragino Sans」などが、
各OSでの表示バランスとデザイン性の両立に優れています。


3. 可読性を高めるタイポグラフィ設計

フォントの選定だけでなく、行間・文字間・段落設計も重要な要素です。
可読性を確保するための推奨設定は以下の通りです。

要素推奨値解説
行間(line-height)1.5〜1.8倍縦方向の余白を確保し、視線移動をスムーズに
文字間(letter-spacing)0.05em前後適度な間隔で詰まりを防ぐ
段落間余白(margin-bottom)行間の2倍程度文章ブロックの区切りを明確化

この3つを意識するだけで、ユーザーが文章を「読む」負荷を大幅に軽減できます。


4. 見出しと本文でのフォント使い分け

フォントはサイト全体の情報階層とブランドトーンを支える設計要素でもあります。
見出しと本文で異なるフォントを組み合わせることで、視線誘導と印象付けが明確になります。

例:情報設計を意識した組み合わせ

  • 見出し(Heading):Montserrat, Source Sans など太め・特徴的な欧文フォント
  • 本文(Body):Noto Sans JP, Roboto, Yu Gothic など読みやすさ重視のフォント

使用フォントは2種類までに抑えるのが原則。統一感を保ちつつ、階層のコントラストを演出します。


5. 実践:CSSでのフォント指定例

body {
  font-family: "Noto Sans JP", "Hiragino Sans", "Helvetica", sans-serif;
  font-size: 16px;
}

h1, h2, h3 {
  font-family: "Montserrat", "Noto Sans JP", sans-serif;
  font-weight: 700;
  line-height: 1.4;
}

フォント指定では、フォールバック(代替フォント)を必ず設定しましょう。
これにより、環境依存による文字崩れを防ぎ、ブランドイメージを安定して保つことができます。


6. フォント選びとブランド体験

フォントは単なる文字デザインではなく、ブランド体験を構築する要素でもあります。

ブランドトーン推奨フォント
モダン・洗練Roboto, Noto Sans JP
信頼・安定感Noto Serif JP, Georgia
親しみ・柔らかさRounded M+, Kosugi Maru
先進・テクノロジーInter, IBM Plex Sans

サイト全体のトーン&マナーと整合させることで、ブランドメッセージが自然に伝わる設計になります。


7. まとめ:可読性はデザインの基盤

  • サンセリフ体を中心に選定する
  • 行間・文字間を適切に設定する
  • 見出しと本文で役割を分ける
  • ブランドトーンと整合させる

フォント設計は、ビジュアルデザインと同等に重要な要素です。
「読まれる」ことをデザインする ― それがプロフェッショナルなWebデザインの基本です。

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